| (主訴)5ヶ月前に気づいた左上腕部の無痛性の腫瘤が、徐々に大きくなってきた。
左上腕部に半球状に隆起した20×15×14mm大の無痛性で皮下組織と癒着のない正常皮膚色結節がある。4ヶ月前に結節の一部生検で良性脂腺腫瘍と病理診断がされている。その後結節はやや縮小したが、全摘出された。
(組織所見)腫瘍は一部が表皮と連続し、真皮から皮下脂肪組織にかけて周囲と明瞭に境界され存在する。個々の腫瘍胞巣の辺縁は平滑である。腫瘍の中心には毛包漏斗部に類似した壁構造のある大きな嚢腫構築があり、辺縁には索状および網状にそして小結節状に上皮細胞が分布している。索状構造と小さな角化性嚢腫状構築が連続している部位もある。索状部を形成する腫瘍細胞は類円形の核で、小型の好酸性の細胞質をもつ腫瘍細胞で構成されている。腫瘍胞巣辺縁で毛芽細胞様の腫瘍細胞が柵状に配列する所見もある。一部に泡沫状の細胞質と類円形な核を中心に配列する脂腺細胞に類似した細胞も存在している。好酸性に染まる細胞と角質で形成される脂腺導管様の小管腔構造も散在している。腫瘍細胞の核異型性軽度だが、核分裂像は少数確認できる。腫瘍間質はやや線維化し、腫瘍細胞巣との間にムチン沈着が明瞭で、一部には空隙の形成もある。 |